Wednesday, August 24, 2011

今が旬!の南国フルーツ: Mango/マンゴー

Mango

ここ最近のお気に入りフレーバーといえばマンゴー。シャーベットにも、ドレッシングにも、バスキン&ロビンズのボールド・ブリーズにも、他のフレーバーにはわき目もふらずマンゴー一筋。

カナダに来て、マーケットで箱入りのマンゴーを争うように買っている人たちを見ても、長い間、手をつけようとも思わなかった。それは、「マンゴー・プリン」の苦い思い出を心のどこかに引き摺って生きてきたからに他ならない。

今から十数年前のある夏の日、京都の明治屋で安売りにひかれてマンゴー・プリンなるものを買った。ストローが斜めについたパック牛乳風情の容器に入っていた。珍しいからと興味津々で買ったものの、帰宅して冷蔵庫に入れた後、数年の間すっかり忘れ去っていた。長年使っていないビン入り調味料やジャムの奥の方は、冷蔵庫所有者ですら見たくもない場所で、マンゴー・プリンは不幸にもそのクレヴァスにはまってしまった。

それから数ヶ月経った真夜中過ぎ、国文科の友人とレポートを仕上げたあと、「何か食べるものはないのか?」と言いながら冷蔵庫をゴソゴソしていると、マンゴー・プリンが現われた。国文科が「珍しいものがあるじゃない」といって、パックを空けてみると…。

そのトラウマを解消してくれたのが、フィリピン系の知人宅でいただいた、それはそれはジューシーなマンゴーだった。そのときの感動といったら! ひとくち含んだなかに、これほど複雑な味が秘められている果物は滅多にあるものではない。酸味、甘味、えぐみが絡み合い、口に入れた瞬間から喉元を降りていくまでに味わえる味の七変化に、心臓がドキドキしてしまう。それに、あの南国のオレンジ色、口のなかで溶けていく濃厚でまったりした食感も素晴らしい。こんなにおいしいものを何年間も見逃していたなんて! 今から考えると、この経験は、偏見(変色したマンゴー・プリン)が真実(マンゴーの素晴らしさ)をどれほど曇らせるかについての大きな教訓であったね。

切り方はいろいろあるらしいが、扁平な種が入っているから、種の両面に沿って3枚にナイフを入れるとよい。

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