Tuesday, August 16, 2011

ダンプリング類ヨーロッパ科?: ピロギ、ペロギ/Perogies

昨今では「グローバライゼーション」という言葉なしでは国際問題は語れなくなっている。厳密な意味でのグローバライゼーションは19世紀に始まったとされるが、世界各地の文化は実は古代からつながりあっていたという主張もある。

まったく当然だと思うね。文化間に見られる食の類似性を考えてみるといい。たとえば、世界中で愛されている麺。麺の起源をめぐる議論は有名で、「パスタは13世紀にマルコ・ポーロが中国から持ち返ったもの」とする中国側と、それに反論するイタリア側とのあいだにヌードル論争が続いていた。しかし、昨年10月には中国北西部で4000年前の「世界最古の麺」が発見されたことから、(今のところ)中国の麺に軍配があがっている。

その他にも、私たちも大好きな中国の餃子に似たフードがユーラシア大陸にはいくつも存在する。チベットには「モモ」という餃子があり、ヤクの肉を使うことを除けば中国の餃子と何ら変わりない。また、ロシアには野菜や肉を詰めたピロシキという揚げパンがある。さらに、イタリアに下りればラビオリがあるし、東ヨーロッパには、そう、「ピロギ」がある。今回取り上げるこのピロギは、「小麦粉ベースの皮で具を包む」という共通性をもつダンプリング類のひとつである。

ピロギ(ペロギとも聞こえる)は、小麦粉と牛乳、卵をこねた生地にマッシュポテト・ベースのフィリングを包んで調理したポーランドの国民的フード。じゃがいもだけだと味が淡白なので、チェダーチーズやベーコン、ソテーしたオニオンやマッシュルームなどを入れてアクセントを加える。餃子と同じようにゆでただけでもよいし、さらにバターをひいたフライパンで焼き色をつけてもよい。サワークリームといっしょに供すとなおよい。

簡単そうなので自分で作ってみたが、生地をこねるところから始めると案外と時間も労力もかかるうえ、できあがったピロギは巨大化してしまった(…と、素人が作ると巨大化するところまで餃子と似ているではないか)。そのうち、ポーランド系スーパーや大手スーパーで安価な冷凍ピロギを見つけて、ときどき買うようになった。しかし、炭水化物一色のフードなので食後がとにかく眠い。よって、退屈な映画や面接の前のランチにはおすすめしない。

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